Zenken株式会社(旧:全研本社) のインタビュー
Zenken株式会社は、ニッチトップ企業の競争力や独自性を活かした集客・採用支援を行うWEBマーケティング事業や、人手不足が深刻化する「IT」と「介護」の領域における人材事業・教育事業など、顧客の課題を解決するサービスを幅広く展開。日本が抱える社会課題の解決に貢献している企業です。
頑張っている人が働きやすい職場を目指す
「Zenken」の取り組みとは
- #IT事業
- #クリアな評価基準
- #ビジョナリー経営
- #一体感のある組織
- #上場企業
- #女性活躍
- #影で批判する風土がない
「頑張っている人が前向きに走り続けられる環境」をつくる。
IT事業を中心とした多彩な事業を展開するZenken。2021年には東証マザーズ市場(現グロース市場)に新規上場。さらなる飛躍を目指すために、求める人材の多様化が加速度的に進んでいます。組織が急成長を遂げる中「多様性の尊重」と「組織の一体感」両方を叶える職場環境づくりの工夫について、総務人事部マネージャーにお聞きしました。
北里大学卒業後、動物看護士として働いていたが「やっぱり動物より人と関わる仕事がしたい」と考え、2012年にZenkenに中途入社。2015年より人事部へ。人材募集から応募者対応、面接・選考フォロー、内定後フォローまで採用業務全般に携わる。会社の顔として採用イベントやウェビナーに登壇する機会も多数。2022年7月よりマネージャー職。多忙な採用業務をパワフルにこなしながら、人事メンバーの育成にもあたっている。
選考で重視するのは、ビジョンやカルチャーに共感できるかどうか。
「こんなはずじゃなかった」はお互い不幸なので。
組織の状況を把握するために行う調査)を実施されたとお聞きました。
結果はご覧になりましたか?
それが、実はまだなんですよ。
今回のアンケート、「一部の事業部だけ」とか「東京オフィスだけ」とかではなく「拠点やグループ会社も含めた会社全体」で実施したんです。だから全然、予想がつかなくて。どんな結果が出ているのかドキドキしながらここに来ました(笑)。
頂いたアンケートの結果の内容も兼ねながら質問させていただきますね。
はい、お願いします。
「会社のビジョン(理念)が明確である」とお聞きしました。
おおー。なるほど。
企業が掲げるビジョンへの理解や共感はそのまま個々の働きがいやエンゲージメントにもつながるため、
多くの会社が浸透施策に注力していますが、Zenkenではこれほどまでに全社の従業員に浸透している。それはいったいなぜなんでしょう?
そうですね。これはまず人事として採用現場で取り組んでいることになりますが、当社が掲げる「そこにない未来を創る」という企業理念については、新卒採用でも中途採用でもかならず、説明会や選考時などの入社前段階でしっかりとお話するようにしています。
なぜそうしているかというと当社が大事にしている考え方だったり、進んでいこうとしている方向性に共感ができない方だと、入社したあとに遅かれ早かれ「合わないな」とミスマッチが生じてしまいますよね。
それはお互いにとって不幸なので、当社の選考フローでは業務内容や商材の理解以上に、マインドマッチやカルチャーマッチを大事にしています。
はい。なのでそこの説明や質疑応答にかなりの時間を割きますし、採用サイトや社員ブログ(Zenkenブログ)・動画などを「この記事見ておいてください」って求職者ごとにコンテンツを選んでお送りすることもあります。
新人もベテランもスムーズに一枚岩となることができるんですね。
そうです。そうやって会社全体の大きな指針を十分に理解・共感してもらった上で、配属先となる部署の事業ビジョンやカルチャー・目標設定を説明します。
事業部ごとでカラーは全然違うけれど根底にあるのは同じビジョン。
だから全員で同じ方向を向いて走れるんです。
それぞれの事業部ごとに全く異なるビジョンやカルチャーになっていったりしませんか?
それこそ「部署が変わると別企業」というくらい。
おっしゃるとおりで当社はITや海外人材、語学、最近では介護までさまざまな領域で事業を展開しているので、それに合わせて事業部もたくさん分かれています。当然事業部ごとに叶えたいビジョンや目標は異なりますし、カラーも違いますね。でも、全ての事業の土台となっているのは「そこにない未来を創る」。
はい。これが全ての事業の根底にありますし全社員の共通ビジョンとしてあるんです。だから、各部署で手掛ける事業内容やその事業を行うことで叶えていきたいビジョンが異なったとしても同じ方向を向けているんだと思います。
ですが、こうした状態を全社で長く保ち続けられているのは、選考時の取り組みだけでなく入社後にも社長や事業責任者を中心に定期的なビジョン共有の機会だったり、会社や組織の進む方向について方針説明があったりすることも大きいですね。そう考えるとそうしたイベントに全社員を巻き込む力が高いのがうちならではの強みかもしれません。
やっぱり単に「希望の条件に合うから」や「今持っているスキルが生かせるから」といった理由だけでなく「会社として何を目指していくんだ」「どんな世の中を創っていきたいんだ」というビジョンにも共感して入ってくれたメンバーは、携わる事業への熱量が違うと感じます。担当業務ひとつとっても何のためにその仕事を行うのか、その業務が未来の何に繋がっていくのかをイメージできている。「取り組む価値のある事業を自分たちの手で成長させていっている」ことに働きがいを感じている人が多いなと思います。
Zenkenは、社員同士の愚痴や悪口禁止。
それを可能にするのは日頃から上司に意見を言いやすい環境づくり。
人間関係に関する項目の満足度が全国平均と比べて非常に高く出ている点です。
おお~そうなんですね!それはうれしいですね。
とくに「足の引っ張り合いがない」「影で批判する風土がない」などの項目で高い満足度が算出されていました。
これは社内で何か取り組まれているからこその結果なのでしょうか?
そうですね。まずは社内のルールとして「社員同士での愚痴や悪口禁止」という絶対の決まりがあって。愚痴や悪口はそれを聞かされる相手にとってすごく迷惑な行為ですよね。それに前を向いて頑張っている社員の足を引っ張ったり、居づらくしたり、負わなくていい精神的苦痛を負わせかねない。デメリットしかありません。
だから困ったことや悩んでいること、提言したいことがあるなら話しやすい同僚ではなく、上司に相談するというルールです。もしもその上司のことで悩んでいるならさらにその上の上司に相談する。なんなら社長に直接相談に行ってもいい。だから、社長室はいつでもドアが開放されているんですよ。
それで言うとZenkenにはもうひとつ徹底しているものがあります。それが「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」。ホウレンソウは、社会人としては基本かもしれませんが、Zenkenではこれがかなり現場に浸透しています。なので入社されて間もない方は「えっこんなことまで報告するの?」「自分でよく考えてから相談しようと思っていたのに」といった戸惑いを持たれる方が多いですね(笑)。
でも、ホウレンソウが普段から徹底されているからこそ意見や悩みは上司やチームに遠慮なく話すことができ一人で抱え込むのを防げますし、ミスやトラブルからは自分自身をはじめクライアントやメンバーも守れます。
はい。ただ、私が求職者に説明するときに気を付けているのは「好き放題なんでも自己主張していいですよ」ではないということ。
Zenkenのホウレンソウは、お互いの認識をすり合わせることだったり課題をクリアにすることだったり現場の意見を上司が吸い上げやすいようにするためだったり。そういういろんなメリットのために大事にしているんですよということを話しています。
社員同士の一体感や連携も深まり強い組織になっていけるんですね。
まさにそのとおりです。
「こんな風に社員同士が深く関わってみんな楽しそうに働いている会社あるんだなぁ」と感じます。
社員同士の関わり合い方はかなり濃い印象を受けますね。
ですよね(笑)。でも“仲よしだから楽しい!”という単純なことではないんです。
Zenkenって仕事に対するこだわりや探求心を持っている人がすごく多い。そうしたこだわりを持っている者同士だからこそ、現場では率直な意見を言い合うのが普通で。例え部下や新人から意見が出たとしても頭ごなしに怒ったり、うるさい・めんどくさいとか、適当でいいじゃんとか言ったりする人は一人もいなくて、みんなお互いの考えを尊重し合い納得いくまで議論をする。
そんなふうにお互いへの敬意や信頼があり、安心して意見を言い合える関係性を仕事の中で築いていけるから結果的に“濃い人間関係”になっていくんだと思いますね。
前を向いて頑張っている社員が、
快適に迷いなく走り続けられる環境をつくるための『新人事制度』を開始。
「給与は相対的に問題がないか」とお聞きしました。
うーん…なるほど。
はい。すごくタイムリーなんですけど、今年(2022年)の7月に「新人事制度」をリリースしました。(※当記事は2022年8月に執筆しています)「等級制度」「報酬制度」「考課制度」を刷新し、役割等級の定義から昇降格のルール、給与体系や報酬レンジ、人事考課の行い方まですべて明確化して全従業員に周知したんです。
今までももちろん、各マネージャーが管理している評価基準はあったんですけど、それが今回の制度改定でより明確になり皆がきちんと理解できるようになったというのが大きな特徴です。
例えばどういった基準を満たせば給与や役職を上げられるのかが明文化されたので、今の自分には何が足りなくてどんな努力をすれば次のステップに上がれるのかがわかるようになった。給与や賞与に直結する評価基準の透明性・具体性がぐんと上がったことで、正しい努力の方向を一人ひとりが見つけやすくなったと思います。
Zenkenの場合いわゆる営業職のように数字だけで測れない仕事をしている人たちがすごく多いんです。そうした様々な職種の人たちも、それぞれの業務貢献や成果に照らし合わせてちゃんと公正に評価をされる、前を向いて頑張っている人がちゃんとその分の評価をしてもらえる、といった環境づくりをしていくために見直すことになったというのが背景です。
はい。それに業種のことだけではなく、多様な人材が働くようになったことも人事制度見直しのきっかけとなりましたね。例を挙げると新卒入社メンバーや外国人社員、ワーキングマザーが増えていたり。うちで長く働いてきた女性社員たちのライフステージが変わって産休や育休を取得することになったり。パパになった男性社員が1年間の育休を取得することになったり。
人も働き方も多様化してくる中で「誰もが適応される制度をつくらなければ」という目的もありましたし、女性がどんなライフイベントを経てどんな働き方になっても、長くうちで働き続けてほしい、活躍し続けてほしい、という思いもあります。 そうしたすべてに考慮してよりよい環境づくりを追求していったときに人事制度の見直しはマストだったと認識しています。
気持ちよく働き続けられる環境づくりにとても力を入れていらっしゃる会社なんだということ感じました。
ありがとうございます。会社がビジョンやルールの浸透に力を注ぐのも現行制度の大改定を行うのもすべては“前を向いて頑張っている社員が、どこまでも快適に迷いなく走り続けられる環境”をつくるため。
それがZenkenの「働きやすい職場づくり」の軸ですし、今後もそうであり続けると思います。
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