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価値観・哲学

社員を尊敬してやまない取締役が
数名規模から一貫して行ってきた組織づくり

2022.08.26

式会社リジョブ「働きやすさ」インタビュー
数名規模から一貫して行ってきた組織づくりについて

美容・リラクゼーション・ヘルスケア業界に特化した求人メディア『リジョブ』などを運営する株式会社リジョブ。

今回は同社の取締役の長南さんに、創業当初から一貫して行ってきた組織づくりについて伺いました。

インタビュイー紹介「⾧南 岳彦さん」
株式会社リジョブ 取締役 ⾧南 岳彦

大手食品流通企業を経て、2007年に株式会社リジョブの前身となるスタートアップ企業に入社。2009年11月より、株式会社リジョブ設立に伴い同社取締役に就任。

リジョブの組織づくりは、「当事者意識」×「協力主義」

リジョブの組織づくりにおいて心掛けていることやこだわりをお聞かせください。
長南さん

創業当初から、みんなが圧倒的に持っているのが「当事者意識」です。メンバー数名の頃はもちろん、営業から事務、そして総務的なことまで、誰もが「気づいたら率先して取り組む」組織でした。メンバーが250名を超える組織になった今も、この「当事者意識」はリジョブの土台を支える企業文化として根付いています。
部署間で協力せず縄張り争いをするような「セクショナリズム(派閥主義)」に陥らないよう、誰かが困っていたら、部署などの垣根を超えて個の問題ではなく全体の問題として捉えて協力し合う「コーポレーショニズム(協力主義)」を強く意識した事業づくり・組織づくりを行ってきました。

これも、当たり前と言えばそれまでなのですが、個人単位や部署単位でいろいろな価値観や考え方、ミッションに対するアウトプットがありますが、それを意思決定に移していくタイミングで「一緒に働いているメンバーや他部署のことを無視した方向性になっていないか?」や、「全社視点で考えた際に、諸々の懸念やメリットデメリットを幅広く網羅した上での意思決定になっているか?」という点に全社でこだわり続けていますね。

また、例えば部署ごとで「ここでは良いと判断されたことが、別の部署ではそのように判断されない」などということが日常で起こらないように、全体を俯瞰してみる目、思考の幅、判断軸の一貫性を意識してメンバーに向き合うことを心掛けています。

一貫性を持った「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」

今お話しいただいた組織づくりのこだわりがあれば、お聞かせください。
長南さん

「目的に対して筋が通っているか」も事業づくり・組織づくり共通での、リジョブのこだわりの一つです。目的に対する手段は、朝と晩で言うことが違っていても厭わない。けれど本質に対する一貫性は常に意識して欲しいということですね。
一貫性があれば、アプローチは新たなインプットや環境要因等によってスピードを重視し、現場の判断で柔軟に変化してしかるべきですし、その時その時の場当たり的な対応ではなく、筋が通った「一貫性のある朝令暮改」は大歓迎です。
「誰だれがそう言っていたから」という属人的な発言は原則NGにしていますね。「誰が言ったか」ではなく「なぜそのように考えるのか」に一緒に向き合おう、と言った感じです。

なぜなら、日々のそういった意識の積み重ねが、有事の際や、新たな取り組みを進める際の再現性として組織の資産になると思うからです。現在だけでなく、未来のメンバーが同様の課題に直面した時の拠り所となるような、判断軸の一貫性を現場ラインで保っていこう、と。

株式会社リジョブ 取締役 ⾧南 岳彦
創業期、2014年のM&A、ポストコロナと組織づくりをしていく中で、特に大変だったことはありますか?
長南さん

M&A前は当時のビジョンに対して集まってきたメンバーで集団を形成してきたため、目的に対して実直で柔軟かつ、パワーを兼ね備えたスタートアップ組織でした。M&A当時も、合併にはつきものとされるハレーションは起きず、とても波⾧の合うM&Aだったと思います。
実際、ベクトルを大きく変えるのではなく、「それまでの組織のコアは大事にしつつ、社会に対する価値提供の幅を今まで以上に広げて行こう」という方向性で組織づくりをしてきました。
もともと、親会社のじげん自体を事業面でベンチマークしており旧メンバーにとって全く未知の会社ではなかった、ということもベースにあったと思います。

結果的に、M&Aが直接的な理由でやめたメンバーはほとんどいませんでした。逆にいうと、親会社に「吸収された」というよりも、我々の組織に親会社から何人かが出向して来てくれて、事業効率化などの不足していたピースを埋めてもらって…という状況もあったので、そのメンバーは相当骨を折って、我々にフィットしてくれたんだろうなという感謝の想いがあります。
リジョブ側にもチーム力や利他の精神、当事者意識の幅、といった強みがもちろんあり、お互いに歩み寄りながら、それぞれの強みを活かした事業づくり・組織づくりを推進してきました。

具体的にはCHOや幹部候補を中心に、組織カルチャーのコアをつくるための合宿を行ったり、新しいソーシャルビジョンやCIを策定したりと、新旧メンバーがともに向き合い新たなリジョブをつくる取り組みに、当時皆が自分ごととして関わりました。

リジョブのこれまでを振り返る上で、M&Aは避けて通れないと思いますし、大変だったことももちろんありました。ただ、既にM&Aから8年が経過し、withコロナを経た現在、リジョブはアフターコロナの第3フェーズに突入しました。
これからは、M&A後に培ってきた「組織力」という資産をベースにしつつも、社会的危機や有事に揺らぐことなく、社会や業界に対してしっかりと価値貢献できる企業であり続けたい、そのために事業力・組織力ともに進化していきたいと思います。

当時の自分が今のリジョブの採用面接を受けても受からない
それくらい尊敬できるメンバーが揃っている

⾧南さんが考える、リジョブの社員の皆さんの好きなところはどのようなところですか。
長南さん

20 代の若手メンバーを見ると、当時の私が今リジョブの採用試験を受けても受からないだろうな、と思うんです。それくらい素晴らしいメンバーが揃っているなと。同じ組織で、立場としては私の方が上だけれど、とても尊敬しています。

株式会社リジョブ 取締役 ⾧南 岳彦

あとは心配になるくらい(笑)、皆さん自分のことを後回しにしてでも、誰かのことを考えられる優しくあたたかな心を持っているところでしょうか。本当に純粋に「世の中のために」とか「一緒に働いているメンバーのために」とか、自分から外に対して、自分がどう行動したら相手が喜んでくれるか、世の中が良くなるか、事業が伸びていくか。
そういった観点で自分という枠を拡げて思考できるメンバーが多いのです。なので、「好き」というより心からの「尊敬」なんですよね。

そういった社員の皆さんのマインドは、組織にどのような好影響を与えているのでしょうか。
長南さん

M&A を転機に現代表と今の経営・組織体制・ビジョンで8年間経営してきた中で、まだまだ道半ばだとは思いますが、「ポジティブな意味での差分が見えてきている」と実感しています。

例えば、同じ視座で物事を捉えられるメンバーがどれだけ増えたのか。以前は我々経営陣しかできなかったことを中堅層のマネージャーが担えるようになったり、当初一部の層のみで旗を振っていたようなことを組織全体に散らばる幹部候補メンバーそれぞれが発言するようになったりと、ふとした時に組織としての着実な成長を実感します。

また当社の採用活動には、人事部門だけでなく、現場で活躍する社員が大きく関わっています。
関わることでより自分たちの組織に対する理解力が高まったり、発信力を身に着けられるという観点もありますし、何より社員自らが一緒に働いていくことになる未来のメンバーを責任を持って選考し当事者として組織を作る文化が根付いている点は、他社にはない当社の強みだと感じています。

目指すは「社員とともに、関わるお客様の未来の選択肢が拡がり、成⾧し続けられる組織」

これから目指すリジョブの「成長し続けられる組織」とはどういった組織でしょうか。
長南さん

ここで改めて、組織力と事業面とのつながりについて述べさせていただきますと、「利他の心が強く全体最適で考えられるメンバーが多く、チーム力が高い」というリジョブの組織は実は、密接に自社のビジネスモデルとリンクし、さらに業界貢献にもつながっているんです。社会の課題に向き合っているメンバーがたくさんいるからこそ、それが事業に活かされていると感じます。

というのも、当社の根幹事業である、美容・ヘルスケア業界に特化した求人メディア事業での、対象となるお客様の多くは個人オーナーや中小企業になり、決して資金が潤沢ではありません。当然、人材採用コストも大きな負担となります。

こういったお客様が持続可能なサロン運営を実現されるために、私たちは「リーズナブルな採用コストと、お客様と求職者の精度の高いマッチング」の両立を追い求め、実現してきました。
実際に、当社の「成果報酬ウェイト型システム」はそのビジネスモデルによって従来の約1/3~1/2の採用コストを実現し、業界トップクラスの支持をいただきました。美容業界内に採用コスト革命を起こしたという自負もあります。

けれど、いくらお客様にとって「リーズナブルで質の高いサービス」を提供出来たとしても、それがもしリジョブ社員の犠牲によって成り立つとしたら、結果的に持続可能な形とはいえないですよね。
とはいえ「一人の社員が顧客企業を営業から受注、広告制作や入金管理とすべてフォローする担当制」だったとしたら、3万件を超える求人案件に対して非常に多くの従業員が必要となり、会社としても経営が立ちいかなくなります。

それはさすがに現実的ではないですね。
長南さん

そこで、当社では事業的観点から「それぞれの役割により担当ユニットを設ける、分業によるチーム制」という組織体制を取ってきました。個々の現場チームが追うKPIを最小単位に分割し、「何を頑張ればいいのか」を明確に認識しやすいようにし、現場レベルでオペレーションを改善しています。
やるべきことが明確になることで、分業制による少ない人数であっても、クオリティの高い業務遂行を可能にしてきたのです。

株式会社リジョブ 取締役 ⾧南 岳彦

ここの「分業制」を支えるために、ここで活きてくるのが先に述べた「全体最適」そして「チーム力」という当社が培ってきた、組織の強みです。
分業制とはすなわち、「自チームの責任範囲はここ」と範囲が明示されているということですが、「全体の中で、自チームに求められている役割は何か?」を俯瞰して見られるメンバーが多いことで全社が同じ方向性を向き業務に携われますし、サービスの大幅リニューアルやコロナ禍といった大きな出来事が生じた時にも、速やかに他チームの求めることを高い視座で理解して、自チームの対応を考えられるんです。

チーム単位でみると「チーム力」が高いことで隣の誰かが困っていたら自然と助け合う文化が育っていますし、社員・アルバイト・業務委託といった雇用形態を問わず、仲間としてサービス改善、オペレーション改善などの議論を交わす様子もみられます。皆が、関わる業界をより良くしたい、そう思って働いているのです。

もちろん、創業期を乗り越えた今だからこそ、従業員が安心してミッションに向き合い続けられるように環境的な部分もより整えたいですし、いち個人としても、メンバーの頼もしい相談相手でありたいなと思います。リジョブには「元美容師」「元セラピスト」といった美容業界出身のメンバーも多く、“働きがいがありながらも報われにくい、この美容業界を働き続けられる業界にしていきたい”という、強い意志・想いをメンバーから感じることがよくありますが、その想いを今後も形にし続けていきたいですね。

コンビニエンスストアの約4倍といわれる美容サロンの多くを占めるのは、大手企業ではなく個人サロンや中小企業ですが、私たちの提供するサービスはそういったお客様にこそ、ぜひ活用いただきたいという想いでここまで成長させていただきました。代表やCHOと話しているのですが、自分たちの仕事のその先が「業界に関わる多くの方々の働きがい・働きやすさの実現」につながっていること、そして自分たちが成長し続けることによって業界の方々により多くの人生の選択肢を与えられる、という形は、素晴らしい未来の組織像ではないでしょうか。

株式会社リジョブの公式サイトへ
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取材日:2022.08.22