株式会社ARISE analytics CWOが語る
「真の働きがい」環境創り
2022.08.23
「成長実感」「貢献実感」「働きやすさ」
国内最大規模のユーザーデータを保有するKDDIと、大手コンサルティング会社・アクセンチュアのジョイントベンチャーとして設立された株式会社ARISE analyticsは、最先端のデータ処理・分析技術を持つデータサイエンティスト集団。
今回は、社員の教育や人事制度・職場環境・システム環境を整備するなどChief Workstyle Officer(CWO)として、幅広い領域を担っている佐々木彰さんが考える“働きがい”や、社員や組織への向き合い方を聞いてみました。
Slerにて金融機関向けのシステム開発を10年経験した後、2011年からアクセンチュア株式会社でコンサルティング業務に従事。株式会社ARISE analytics立ち上げのプロジェクトから参画し、データサイエンスト部門や管理部門のリーダーを務める。2020年にアクセンチュアを退社しARISE analyticsに入社。
現在CWO(Chief Workstyle Officer)として働きがいのある環境構築を行っている。
ARISE analyticsを「世界一働きがいのある会社」へ
そのきっかけは何でしょうか。
私は会社の設立から携わっているのですが、設立メンバーで共有していたのが「データサイエンティストがいちばん働きがいをもって働ける環境をつくっていこう」という想いでした。
事業会社やSI企業、コンサルティング会社など、さまざまな会社でデータサイエンストの仕事に従事している人はいますが、メイン事業を軸にした制度のなかで評価され、ポジションを得る道が限られていたりする場合が多く、私たちの会社ではデータサイエンティストが専門性を磨ける環境づくりを行い、継続的に成長できる場を整えたいと考えました。
成長実感×貢献実感×働きやすさ=働きがい、と定義しています。まずは、社員が成長できること、成長を実感できることがもっとも重要です。
次いで、クライアントや会社・組織、チームメンバーに貢献できていると実感できること。自分の成長にだけ向き合っていると、あるとき「自分のやっていることは何かの役に立っているんだろうか?」と壁にぶつかります。成長したがゆえ視点が一段上がったときに、だれかに対して貢献できているかが次の重要な指標になってきます。
成長実感と貢献実感、この2点でも十分働きがいを感じることはできると思います。しかし、これらをストイックに追求しすぎると肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、それは私たちが目指す働きがいのある環境ではありません。社員が長く成果を出し続けるためには、心理的安全性の確保や、この会社で長く働きたいと思ってもらえるような働きやすさのしくみづくりも欠かせないと考えています。
データサイエンティストにとって“成長”はどのような意味をもつのでしょうか?
データサイエンスの世界の変化は早く、新しい技術も短いサイクルで次々に誕生します。世の中の変化に呼応して、クライアントからのビジネステーマも多様化しており、技術的なスキルはもちろん、ビジネススキルも伸ばさないと、あっという間にトレンドについていけなくなる世界です。
自分がその世界に身を置いていることを意識して、世の中の変化を察知し、どう自分自身のスキル・経験をアップデートすべきかを常に考え、努力できるかどうかはとても大事で、採用の場でもいちばん重視しているポイントです。
実際に、採用面接でデータサイエンティストを志す人の話を聞いてきて、多くの人は自分自身が成長できるか、活躍できる場所であるかを判断基準に置いていることを実感しています。育成の場を磨いていくことは、優秀な人材に出会うためのキーコンテンツで、ARISE analyticsの会社の魅力にもなるため注力しています。
独自の教育体系で社員の成長を促す
取り組みの一つとして、独自の教育体系「ARISE university」というのがあり、On-Boarding(オンボーディング)、Learning(ラーニング)、Training(トレーニング)、Career(キャリア)という4つのカリキュラムで構成しています。
各カリキュラムを詳しくお話しますと、 On-Boardingは新卒入社者や中途入社者向けのトレーニングで、業界・職種問わず求められるビジネススキルやデータサイエンティストとしての基礎知識が学べます。
Learningは社員がスキルアップするために必要な時間やコストをサポートするしくみです。毎週金曜日の午前中は自己研鑽の時間として各自、自由に活用することができます。
Trainingは部署横断の事務局が運営している社内勉強会で毎週、開催されています。部署の専門性を活かした講義やLightning Talkだけでなく、社外からも業界の第一線で活躍している方を招聘したり、最新の業界動向を吸収できるラインナップが組まれています。
Careerは自分のキャリアプランについて考えるしくみです。たとえば、リーダーシップキャンプは年に1度、オフィスとは違う環境で行っている研修で、個人の志を実現するためのアクションを言語化するワークショップを行っています。
コロナ禍のコミュニケーション不足にも迅速に対応
他の施策として「おせっかいファミリー」というのもあるとお聞きしましたが、とてもユニークなネーミングですね。
どういう施策なのか教えていただけますでしょうか。
そうですね(笑)。簡単にいうと、新しく入社した社員に対して、ななめ上の社員がおせっかい役となり、今の状況や困っていることなどを聞きアドバイスをする、という仕組みです。
毎月実施している1on1は直属の上司であるSV(スーパーバイザー)と行いますが、おせっかい役には、たとえば隣の部署のひとつ上の役職の人など、業務ではからまないけれど、新入社員が置かれている環境に対して、ある程度理解ができる人をにアサインします。
コロナ禍ということがすごく大きいです。それまではオフィスで雑談も含め、フランクにコミュニケーションできていましたがリモートワーク中心になり、業務でつながりのある人としか交流がもてない状況になっていました。
特に、コロナ禍で入社した社員は、入社当初からリモートワークで上司や同じチーム以外の社員と会話する機会がなく、社内ネットワークがうまく築けない状態でした。このままだと離職やメンタル不調につながるリスクが高いと感じ、始めたのがおせっかいファミリーです。
パルスサーベイで仕事の悩みや体調面の不安などをキャッチできる機会はあるのですが、アンケートに自分の内情をアウトプットするのはけっこう難しいもの。それが、おせっかい役との会話によって、自分の思っていることをうまく引き出してもらって本人のなかでも整理ができるようです。そうやって、悩みや課題の解決につながった事例が多くあると聞いています。
目の前の仕事のことだけじゃなく、たとえば「こういう勉強会があってスキルアップにつながるよ」とか、興味のある分野のコミュニティに参加するメリットなど、視野を広げるような情報も伝わることで社員の定着につながる効果はあると感じます。
個人にフォーカスした社内サーベイを活用
社員それぞれ担当している業務も違い、立場や役割も異なるので、何に対して貢献しているかは人により違います。社会やクライアントに貢献をしている人もいれば、一緒に働いているメンバーに貢献している人もいます。
自分の働きが何に貢献しているか本人は自覚していないこともあるので、身近で働きぶりを見ている上司との1on1を積極的に実施し、貢献についてフィードバックする取組みを進めています。
さらに、どういった業務で貢献実感を得ているのかを把握し、スキルや希望するキャリアも踏まえ、できるかぎり最適なプロジェクトにアサインするしくみも整えています。
会社設立当初から継続して、半年に一度、エンゲージメントサーベイを実施継続していますが、これは組織ごとの内部診断を目的としたもので個人にフォーカスしたものではありません。組織としての状態は良好でも問題を抱えている人、モチベーションが下がっている人はいます。そこで、社員ひとりひとりの現状を把握するために2018年から月に1回実施しているのがパルスサーベイです。
ヒアリングするのは4項目のみ。仕事の満足度、健康状態、人間関係、貢献実感について5段階で回答してもらいます。個人ごとに月次の推移を見ることができ、ネガティブ傾向になった時のアラート機能も構築しているので、解決すべきサインをキャッチすることができます。
エンゲージメントサーベイは調査設計から分析、ネクストアクションの提案まで、人事部主導ではなく、現場の有志社員が担当しています。働きがいのある会社にするためのしくみを一緒につくっていきましょう、と採用段階から話しているので、ARISE analyticsの社員は組織を良くしようとする意識が高いと感じています。
目指すは社員が成長実感、貢献実感、働きやすさを最大限感じられる組織
社員のライフスタイルやライフステージの変化にも対応できるよう、リモートワークやフルフレックス制を活用し、時間や働く場所への制限が最小限となるよう整備しています。
目指す姿は、すべての社員が成長実感、貢献実感、働きやすさを最大限感じることができる組織です。そのために、圧倒的に成長できる環境をつくり、社会やクライアントに貢献できる事業領域を広げ、それぞれの社員に合った働き方ができる組織づくりに今後も尽力したいと思います。
株式会社ARISE analyticsに興味がある方へ
一流のデータサイエンティスト集団を目指す方は、ARISE analyticsで一緒に成長していけたらと思います。
私たちの会社では社員が自らキャリアを開拓して、変わりゆく世の中に対応できる人材になれるよう、成長できる環境を用意しています。自分を成長させたいという意欲をもっている方と会えることを楽しみにしています。
成長実感と貢献実感、この2点でも十分働きがいを感じることはできると思います。しかし、これらをストイックに追求しすぎると肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、それは私たちが目指す働きがいのある環境ではありません。社員が長く成果を出し続けるためには、心理的安全性の確保や、この会社で長く働きたいと思ってもらえるような働きやすさのしくみづくりも欠かせないと考えています。
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取材日:2022.08.23