就活で口コミサイトはあてにならない?のウソ・ホント
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2025.02.25
就活で口コミがあてにならないのは半分ウソで半分ホント
半分ウソの理由「実際に働いている社員じゃないとわからないことも多い」
あたりまえの話ですが、求人サイトや採用ホームページで謳われている情報は、ほんの一部に過ぎません。伝えきれていない情報なんてやまほどあります。また、採用活動は一種の広告活動と捉える企業も多く、魅力的な部分を切り出すのは企業努力の一環でもあります。
ですから、例えば「平均残業時間〇時間以下!」と謳っていても、繁忙期は実際それ以上に働く月だってあるでしょうし、「電話応対なし!」と謳っていても、入社後のキャリアによって電話応対が含まれる職種に就くことだってあります。
ここまでは、マイナスな側面の裏取り調査…のような文脈で書いてしまいましたが、その反対もまたしかりです。
実際に働いている現職社員が感じる魅力と、人事や経営が捉えている自社の魅力にはギャップがあることも結構あるものです。
例えば、人事や経営が「ワークライフバランスが優れていること」や「教育環境や成長支援が充実していること」が自社の魅力だ!と捉えている一方、現場の社員は「一緒に働く同僚や上司、部下との関係性」に魅力を感じていたり、「事業そのものの社会貢献性」に誇りを持っていることだってあります。
つまり、現場の声だからこそわかる、その会社の課題もあれば、その会社の魅力もある。だからこそ、「あてにならない」と断定するのは間違いと言えるわけです。
半分ホントの理由「書き手の偏りがある」
企業口コミサイトを閲覧をするためには、過去在籍していた企業や現在在籍している企業の口コミを書き込む必要があります。
ここで一つ、考えてみてください。
企業口コミサイトを閲覧する目的は何でしょうか?
そうです、ご自身の就職活動・転職活動のための情報収集です。つまり、企業口コミサイトに書き込む段階で、既に在籍していた企業を辞めているか、または現在在籍している企業を辞めようとしているか、のいずれかであることが多いのです。
そういった方々に「退職検討理由」や「経営者への提言」を問いかけるとどうなるでしょうか。おのずと、書き込まれる情報の傾向はつかめてくるはずです。
ちなみに、私たちVOiCE編集部はこれまで1000社以上もの企業の社員にヒアリングをする中でわかったことは、書き込む方々の傾向として「ミスマッチによる早期離職者」や「活躍できずに辞めていった人材」の一部が、やや攻撃的に書き込んでいるケースが多いということ。
そして、身バレ防止で、性別や年齢、職種、役職を別のものにしていたり、退職から数年が経過してから書き込んでいたりと、属性情報の信ぴょう性や情報の新しさで、やや参考にならないことも多くあります。
まとめると、掲示板型の既存の企業口コミサイトは「後ろ向きな意見」と「古い情報」が散見される、という点で、「あてにならない」とも言えます。
就活で口コミサイトは見たほうがいい?
見ないほうがいい?
就活で目にする企業口コミサイトの特徴として以下の2つの特徴があることを解説してきました。
・現職で働く社員だからわかる、企業のリアル(魅力も課題も含め)が知れる
・一方で、退職者の口コミが多いため、後ろ向きな意見と古い情報が散見される
したがって、2つの特徴を押さえて閲覧する必要があります。そこで、以下に有用な「読み方」をご紹介していきます。
就活で口コミサイトを見るあなたへとっておきの読み方をご紹介
結論から申し上げると、現職社員と退職社員の口コミを切り分けて、「活躍する人とそうでない人の特性や傾向の違いを知る」「カルチャーマッチする人とそうでない人の価値観や考えの違いを知る」といった読み方をしてみてください。その上で、あなた自身が、自分の活躍イメージを持てるか、価値観への共感できるかを確かめてみると良いでしょう。
以下、現職社員と退職社員の口コミの違いの例を取り上げさせていただきます。
水道インフラ施設の運営を行う企業の口コミ事例
(退職者の口コミ)
・台風や大雨の予報が出ると、休みの日でも待機となり、大きな地震発生時なんかでは夜間であれ土日であれお構いなしに緊急招集。家族を大事にしたい人には絶対にオススメできない職場です。
(現職社員の口コミ)
・私たちはインフラを守る仕事をしています。台風発生時や大規模な災害発生時ほど、グッと力が湧いてきて、この仕事をやっていて良かったと誇りに思える瞬間です。地域の子どもたちにも喜ばれ、胸を張れる仕事だと感じています。
生活基盤となる上下水道の施設管理の仕事は、社会的な意義もあり、非常に誇りある仕事です。であるからこそ、一方では、台風や災害が発生した際には緊急招集がかかることもあり、それは深夜であっても、休日であっても、です。皆さんそれも承知のうえで入社されるわけなのですが、やはり「知る」ことと「やる」ことには大きな違いがあるため、捉え方に差が生まれていることがわかります。
大ヒットシリーズを生み出した男性化粧品ブランド企業の口コミ事例
(退職者の口コミ)
・〇〇(商品名)という、大ヒットシリーズを生み出したが、それ以外に売れている商品はなかった。また、それ以外に新たな主力商品を生み出せる組織力もないと感じていた。万が一、〇〇が売れなくなったら一気に衰退していくと思い、退職を決意した。
(現職社員の口コミ)
・競合にはない「医療」というバックボーンを活かして、新商品・新規事業の挑戦機会に恵まれていることは、あまり知られていないのが勿体ないなとは思っています(笑)。ここ数年で本当に多くの新商品・新規事業が生まれ続けてます。既に女性向けの△△というブランドも「え、〇〇の会社の商品なんだ!」と驚かれるほど認知度が高くなってきて、開発に関わった身として誇りに思います。
この会社は口コミをご覧の通り、大ヒットシリーズの認知度の高さゆえに「このブランドの会社」という社内外からのイメージがありました。しかしながら、ここ数年の改革により、新たな商品や事業を続々と立ち上げてきた背景があります。退職者の声ではそうした過去の視点が見受けられ、現職社員の声では今現在の変化した姿が映し出されていることがわかります。
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「現職社員の口コミサイト VOiCE」もあわせて読んで
「現職社員の口コミサイト VOiCE」は、退職者の声であふれる既存の口コミシーンに、もう一つの選択肢として「現職社員の声」にフォーカスを当てた企業口コミサイト。これだけを読めばいいとは私たちも考えておらず、複数の口コミサイトを参考にしながら、ご自身の参考になる情報を取捨選択してみてください。
「VOiCE」では、とりわけ「活躍人材」の声を集めており、あなた自身の成長イメージや活躍イメージに参考になるでしょう。「みんなにとって良い会社」は幻想であり、「自分にとっての良い会社」を探すために、ぜひ参考にしてみてください。